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次世代メディア・カンファレンス「nextMEDIA」取材レポート

By david | 2008年 11月 20日

カナダのトロントで11月18日(現地時間)からの2日間、次世代メディアに関するカンファレンス「nextMEDIA」が開かれた。同カンファレンスについては、さまざまなセッションに関する記事をすべて「BrandingDavid.com」に順次掲載していくので、詳しく知りたい人はそちらを見て欲しい。

ここでは、「Re-Engineering The Broadcast Business」(ブロードキャストビジネスのリエンジニアリング)と題するセッションについて紹介する。このセッションでは、Robert Montgomery氏を司会進行役に迎え、Dominique-Sebastien Forest氏、Raja Khanna氏、Barbara Williams氏がメインのパネリストを務めた。Revision3で販売部門のバイスプレジデントを務めるBrad Murphy氏も出席することになっていたが、インフルエンザにかかり、来ることができなかった。わたしはMurphy氏に会えるのを楽しみにしていたので、これは大変残念な変更だった。しかし、Revision3は、今後の収入見通しについて大きな数字を発表しているが、事業運営の経費は徐々に削減していることを考えれば、Murphy氏の欠席も理解できる。

Robert Montgomery氏はかなりの時間を取って、オンラインの放送事業、およびそれが動画制作にもたらす意味、ならびに投資評価について説明した。

「2002年当時のウェブは、目的地としてのウェブだった。(中略)現在、モデルはよりコンテンツ中心になってきている」――Dominique-Sebastien Forest氏

最初の質問はForest氏に向けられた。これを受けて同氏は、コンテンツ横断的にユーザーの行動を収集することでユーザーをよりよく理解するということを中心にして、ユーザーとコンテンツのマッチングについて話した。

つづいてCanwest Global CommunicationsのWilliams氏が、広告主、コンテンツ、ユーザー間に築く必要のあるコネクションについて話した。ウェブ上ではさまざまなことがらについて今なお実験段階にあって、将来どの方向に進むのかははっきりしないように見えるという。

そのあとふたたびForest氏が話を引き継いで、オンラインの利ざやは従来のテレビの利ざやより大きく、そのため、テレビ局なら事業を順調に進めているとみなされるためには6億ドルもの広告を販売しなければならないところ、オンライン・テレビなら3億ドルも販売すれば同等の収益を上げられる可能性があると述べた。

Khanna氏によると、問題は、オンラインの番組が獲得しているCPM単価ではなく、インプレッション数だという。いいビデオ番組が1エピソードにつき3万回のビューを獲得して、CPMが40ドルだとしたら、その番組は1エピソードにつき120ドルしか売上が上げられないことになる。120ドルは利ざやとしてはきわめて大きいかもしれないが、それでもたった120ドルだ。

「実際、これまでニューメディアでは、実質的な意味ではいかなる形でも収益を得られてはいない」――GlassBOX Televisionで共同CEOを務めるRaja Khanna氏

オンラインでの広告を通じて、十分な利益を上げられるだけのインプレッション数を獲得するのは困難だ。したがって、複数のソースで複数の収入源を確保する必要がある。広告主が十分に満足し、それでいて関心を惹くだけの革新性のある関係を構築しつつ、コンテンツが次々と生み出されるように、継続して売上を上げられなければならない。

「広告主は18歳の若者のようには素早い動きは見せないし、それは無理もない話だ」――Raja Khanna氏

Williams氏は、今でも「House」のようなエピソード・コンテンツに対するニーズと関心がいかに高いかについて話し、それにかかる費用およびその価値は投資に値することを証明していかなければならないと訴えた。そのような番組を制作する価値が低下したら、優秀なプロのスタッフを集め、広告とメディアがバックアップする、Houseのような番組の新しいエピソードはもう作られなくなる。

「コンテンツの所有が事業を意味あるものにする唯一の方法なので、われわれはコンテンツを所有しなければならない」――Raja Khanna氏

企業が抱える大きな問題は、動画などのブランド素材を違法コピーしたものによって、ブランドが構築されているという事実だ。しかもこれは、従来のテレビにそのような番組を放送する費用を支出しているテレビ局と関係のないところで行なわれているのだ。したがって、メディア企業が継続していける唯一の道は、構築に力を貸したスターブランドを所有して、ほかの企業に乗り換えることができないようにすることだ。

しかし、Barbara Williams氏の発言は納得できない点がいくつかあり、同氏は本当にニューメディア界で起こっている移行の動きを理解しているのだろうかと、疑問に思った。Williams氏は、Houseのような番組は自宅の地下室で片手間に制作できるわけではないし、番組を「iPod」で見るのは大画面のテレビで見る体験には遠くおよばないと言い、普通の人々が音質の違いにこだわらなかったオーディオの場合に起きたような移行とは事情が違うと語った。

個人的な意見を述べるなら、これは少々間違っているように思う。というのは、「Totally Rad Show」や「The Guild」をはじめとする素晴らしいコンテンツが、間接費ほとんどゼロで制作されているからだ。

より大がかりなビデオ番組がインターネットに移行していくには、多少の時間がかかるという意見には同意する。しかし、Revision3のようなメディア企業の多くが利用できるスタンダード・モデルを作るのは不可能ではないと思うし、それほど長い時間がかかるとも思えない。

原文(English)

Topics: ビジネス, 広告 |

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