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正体がバレても書き続ける、と宣言した「Fake Steve Jobs」
By リザ サンチェス | 2007年 8月 10日
それほど新しくもない話題だけれど、いまだに広く取り沙汰されているのが、「Fake(偽の)Steve Jobs」の正体についてのニュースだ。実は「Forbes」誌の編集者Daniel Lyons氏(46歳)だったことがネット上で明らかになったが、Fake Steve Jobs氏は活動を続けるようだ。
1年以上も本名が誰にも知られないまま、この数カ月、FSJの正体についてますます多くの噂が飛び交うようになっていたが、「New York Times」の記者Brad Stone氏が謎を解いた。長期間にわたってさまざまな憶測を呼んだ、「The Secret Diary of Steve Jobs」の背後にいる人物はLyons氏だと指摘したのだ。
図らずも本名が露呈したことに対して、Fake Steve JobsことLyons氏は、「くそっ、捕まっちまった」と書いた。シリコンバレーとブログ界が、愛すると同時に憎みもした、いつもの皮肉なスタイルで。
「いずれわかったことだ。正直言って、これほど長くもつとは思わなかった。もう耳に入っているかもしれないけれど、私は新聞記者に捕まった。装いがはぎ取られたんだ」とLyons氏は書いた。
しかし、装いがはぎ取られても、Fake Steve Jobsの歩みを止めることはできない。Lyons氏は別の人物を装ったまま、正体が明らかにされても何の影響もないかのように、Appleやシリコンバレーのエリートたちについて、ブログを書き続けている。そして、すでに正体が明らかになったため、Forbes.comは近々Lyons氏のブログをホストすることにし、この展開を喜んでいるようだ。
Lyons氏は、復活宣言をした投稿の中で次のように述べている。「Appleに忠実な諸君、この苦難の時期に、君たちが何を考えているかはわかっている。FSJはこれからどうするか、だろう? 2、3日休みをとって湖に行き、ヨーガと瞑想をやって無の境地に浸るつもりだ。そして来週、以前にも増して不埒なヤツになって、また戻ってくる。新しいスポンサーもついたことだし。Forbes.comの仲間たちだ」
しかし、「Fake Steve Jobs」の正体を暴露したStone氏は、たった1人で「世界中の多数の人々から、子供のように驚く感覚を奪った」と考える人もいるだろう(私自身もそうだ)。何と言っても、「Secret Diary of Steve Jobs」をミステリアスなものにしていたのは、謎のブロガーの存在だったのだ。
それでも、Lyons氏にとっては、すべてがうまくいった(Secret Diaryの1日のページビューは、現在50万近くになっている)。Forbes.com(偽のAppleのCEOが自社にいることを知らなかった)にとっても、Steve Jobs氏自身(自分の皮肉を楽しんでいるらしい)にとっても同様だ。少なくとも本物のSteve Jobs氏は、自分のふりをしてブログを書いているのがBill Gates氏ではないかと思い煩う必要もなくなった。
追伸。冒頭の写真は本物のSteve Jobs氏だ。
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