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調査結果:オンライン・セキュリティへの意識と対策との差が明らかに
By デニス ボーチャンド | 2008年 12月 15日
犯罪被害に対する啓蒙活動を行なっているテレビキャスターのJohn Walsh氏が、IT 管理ソフトウェア企業のCAと共同で進める「Keep America Safe Online」キャンペーンの一環として、オンライン・セキュリティに対する認識と実際の安全対策のギャップに関する調査結果を発表した。調査は、全米の各地域で、シニアを含む成人およびティーンエイジャーを対象に、さまざまなオンライン活動について行なった。
調査の結果、米国では成人の57%が、今後2年のうちに自分のIDが盗まれるかもしれないとの恐怖感を抱いており、90%が自分の個人情報の安全性に不安を感じているという。また、ティーンエイジャーでは、35%がソーシャル・ネットワークのプロフィールを完全に公開しており、まったく知らない人でも閲覧できる状態にしていた。
オンライン活動に伴なうサイバー・セキュリティの危険性を評価する上で、中心的要素となったのは成人世代だった。今回の調査では、年齢層の高い大人は、個人情報のセキュリティに関して、ネットサーフィン全般を不安に感じている人が最も多かったのに対して、成人でも若い世代は、インターネット全般というよりも、特にリスクの高いオンライン活動に警戒感を向けている傾向があることがわかった。具体例を以下に挙げる。
- 30〜39歳の人は、60歳以上の人より、公共の場所でのネットサーフィンについて不安を感じている傾向があり、その比率は2倍だった。
- 18〜29歳では、回答者のほぼ半数が、ソフトウェアのダウンロードに関して不安を感じていた。これに対して50〜59歳では、3分の1だけだった。
CAの調査では、セキュリティに対する懸念には、性別も大きく関係することがわかった。
- ティーンエイジャーの男子では42%が、自分のネットワーク・プロフィールにプライバシー・コントロールを設定していないと回答し、見ず知らずの人の目にさらされていることがわかった。
- ティーンエイジャーの女子は、4分の3近くが自分の写真をオンラインに掲載していると答えた。
- オンライン活動で、接続先のIDを確認する傾向は、男子が女子より13%低かった。
- 成人のカテゴリーでは、64%の女性が、オンライン・ショッピングにおけるセキュリティを懸念していた。これに対して男性は、55%にとどまっていた。
ソーシャル・ネットワーキングを行なっているティーンの87%は、その活動に大きな危険が潜んでいることがわかった。
- ティーンの38%は自分の通う学校などの情報を掲載している。
- 32%が自分のメールアドレスを公開している。
- 28%は自分の誕生日を公開している。
- 19%は、自分のフルネームを掲載している。
こうした危険を多少なりとも回避するために、保護者は以下のような予防措置を講じている。
- 保護者の91%は、知らない人とオンラインで会話することについて、自分の子供たちと話している。
- 88%は、不適切なサイトを訪問することの危険性について子供と話し合っている。
- 保護者の85%は、「Facebook」や「MySpace」などのソーシャル・ネットワーキング・サイトで個人情報を保護する必要性を繰り返し説いている。
保護者の3分の1以上は子供のオンライン活動に追いつけずにいる。インスタント・メッセージなどの通信ソフトウェアを自宅のコンピュータにインストールしている保護者は、ペアレンタル・コントロール・ソフトウェアをインストールしている保護者の2倍になる。子供のオンライン活動の安全性を監視することには、多くの両親が煮え切らない態度を示しているが、自分自身のセキュリティには大きな関心を寄せている。成人層では、自分のコンピュータおよび個人情報に以下のような保護措置を講じている。
- ウイルス対策ソフトウェアのインストール(86%)
- ポップアップブロック・ソフトウェア(81%)
- アンチスパイウェア・プログラム(77%)
自分の子供を保護するソフトウェアに関しては、自宅のコンピュータにペアレンタル・コントロール・ソフトウェアをインストールしている保護者は、全体の30%にとどまっている。さらに、セキュリティ機能を利用して、自分の子供のプロフィールへのアクセスを制限している保護者は、3分の1に満たない。
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