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授乳中の女性の写真をわいせつとして削除するFacebookに非難の声
By J. Angelo Racoma | 2009年 1月 8日
「TIME」誌は最近、Facebookに関する特集記事を掲載した。Facebookは、女性の体の特定部分が露出している写真も含め、わいせつだと考えられる写真を削除する取り組みを開始している。しかし、この一律の禁止策では、赤ん坊に乳房を含ませている母親の画像さえ禁止されることになり、このことが権利擁護者からの非難を招いている。
Facebookは、同社がわいせつと考える写真はすべて削除することを譲らない姿勢を貫いており、削除対象には乳房が完全に露わになったものが含まれる。これはFacebookの定義によれば、「乳首または乳輪が見えているもの」だ。言い換えると、胸元が大きく開いていようと、紐のようなビキニ姿でも、乳首さえ写っていなければかまわないということだ。乳房が露出している写真を一掃する取り組みが開始されたのは2007年の夏で、それ以来Facebookは、あらゆる女性たちを憤慨させるとともに、誇り高い授乳中の女性たちの怒りの的になり、その数は増える一方となっている。
2008年12月27日(米国時間)、約1万1000人がFacebookのプロフィールに授乳中の女性の写真をアップロードする仮想授乳大会を催して抗議を表明した。さらに、20人ほどの女性がカリフォルニア州パロアルトのFacebook本社を訪れ、その場で実際に赤ん坊に乳を飲ませた。12月30日までに、8万5000人のメンバーが「ちょっと、Facebookさん、授乳はわいせつじゃないわよ!」というキャッチフレーズのFacebook抗議グループに加わった。
ブログやソーシャルメディアのサイトは、インターネットに接続さえできればほぼ誰でもアクセス可能で、実際ユーザーは、自分が使っているオンラインサービスの条件に従っているかぎり、どんな写真だろうと好みのままにアップロードすることができる。しかし、上述したFacebookのケースの場合、これは明らかに倫理の問題だ。問題は、何をもってわいせつとするかということであり、女性が胸を露わにすれば、それだけでわいせつになるのかという疑問だ。定義に、性的な含みを入れるべきではないのか? 授乳中の画像はどうなのか?
ほとんどのウェブアプリケーションは、成人向けのコンテンツ(ただし大半はアダルト・コンテンツではない)を認めている。しかし、これらが一般に広く公開されることはなく、法定年齢であることを証明できる人たちに向けた公開になっている(これを設定するのは難しいことではまったくない)。しかしたとえば、その人が公開しているプロフィール写真が、是非を問われる画像となる可能性のある状況では、ウェブアプリケーションがその写真への無制限のアクセスを拒否してよいものかどうかという問題になる。
大学生が使うネットワークとして始まったソーシャルネットワークなら、ユーザーに成熟した感覚を期待することもできる。これはつまり、授乳中の女性や、授乳のために上半身を露わにしている女性の写真でも、そこに性的な含みがなければ、わいせつとはみなさないということを意味する。しかし、Facebookは現在、13歳以上であればすべての人に利用が認められている。となるとこの場合、これはきわめて判断の難しいグレーゾーンだ。
Topics: social networking, Facebook |
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